●岩崎るりは『猫のなるほど不思議学』
講談社ブルーバックス/292p
一般にはあまり知られていない猫の生態を、ブリーダーとしての視点から詳細に書いている本。
種としての系統、感覚器、生殖、遺伝…などの専門的な話から、長年猫の世話をする上で得られた健康法、性格の傾向などの生の体験談まで、あらゆる話がつづられている。
非常に読みやすいが、筆者の猫への思い入れの強さ故か、時として過剰に猫贔屓な記述も見られる。
猫好きな自分もここまで猫を贔屓できない。
猫はどうやって人間を飼い馴らしたか?
という一節を読んで、星新一の短編を思い出した。
宇宙人が猫に地球の支配者を尋ねる話。
この言葉はペット愛好者の様子を端的に表していると思う。
生き物についてちょっと考えさせられた本だった。
11014p/42195p
コメント
猫が人間を飼いならす。
猫というのはしかし、なんだかそういう動物みたいですね。ポール・ギャリコが『猫語の教科書』で同じようなことを言ってました。
ブルーバックスで猫まるごと一冊というのも、また贅沢な話――それ自体猫贔屓だったりして。
Posted by: 夕波 | 2006年06月02日 23:43