2006年09月06日

●『灯台へ』ヴァージニア・ウルフ

岩波文庫・赤、413p

 夕波から借用。

 ラムジー一家は灯台に暮らす灯台守(何だか可笑しな表現ではあるが)を訪問する訪問する、と言いつつその機会はなかなか訪れない。
 若い女画家は思うような絵が描けない。そして売れない。
 一家の子供たちは父親から精神的に圧迫される。

 そうこうするうちに月日は流れ、一家のうち何人かが死別。
 そして一家は灯台へ……


 そんな感じの話。
 夕波は伏線の作り方が上手いと言っていたが、特別そういった感は受けなかった。
 ただ、物悲しくも美しい語りは読んでいてなかなか良かった。

 

手近に斧か火かき棒があれば、あるいは父の胸に穴をこじ開け、その時その場で彼を殺せるようなどんな武器でもあれば、ジェイムズは迷わずそれを手に取っただろう。

16274p/42195p

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