2006年10月07日

●『水妖記』フーケー

岩波文庫・赤、165p

 夕波に買わされた本。
 買って損したなんてことはなく、面白かったと思います。

 話としてはかなり童話に近いですね。
 普段堅いものを読みなれていないという人でも楽に進めることができるんじゃないでしょうか。


 騎士・フルトブラントが出先で可愛い女の子を見つけて結婚、それが実は水の精で云々……というストーリー。
 
 文中では、水の精・ウンディーネが騎士と結婚した理由は、「魂を得るため」という説明が語られる。
 では、魂とは何であろう?

 「魂を抜かれる」という表現があるように、日本語のイメージとしてはこれが無いと肉体が思考・行動不能、もしくはそれに近い状態となるイメージが強い。
 対して、この物語中では

・肉体は正常に活動、何かをするのに不自由という面はない
・思考は可能だが一貫性を欠く。感情の起伏が激しく、予測不能の行動をとって周囲を困らせる
・行動は日本の民間伝承に見られる河童と似ている(気がする)

 といった違いがある。
 ヨーロッパと日本の「魂」という概念の違い、この辺も調べてみると面白そうだ。
 誰か調べてください。夕波が向いてそうだ。よろしく。

17830p/42195p

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