●『森の小道・二人の姉妹』A・シュティフター
岩波文庫・赤、339p
夕波のレビューがすでに書かれています。
そちらもどうぞ。
作者が絵描きというせいか、非常に絵画的な作品だ。
ふとした表現でも頭の中に心象風景として流れるように浮かんでくる。
ストーリーには特別な仕掛けはなく、淡々と登場者たちの心の変化を綴っている。
ではつまらないのか、と言えば全くそんなことは無い。景色のみならず心情面も絵的なゆったりした表現で表されていて、まるで飽きさせない。
訳本でもこれだけの表現になっているのだから、原文で読むことができればさらに上の感動があるのだろうか。
なかなか勧められる作品であると思う。
あっさりしたストーリーとは言っても保坂和志あたりとはまるで違います。
28657p/42195p