●B-Z反応
振動反応と呼ばれる反応の代表で、Belouzovによって発見された。溶液中で酸化・還元反応が繰り返して起こる非常に特異な反応であり、当時の学会には受け入れられなかったが、彼の死後Zhabotinskyが反応の正当性を立証。両者の名前のイニシャルをとり、B-Z反応と呼ばれている。
最も典型的なB-Z反応は、マロン酸・臭素酸カリウム・臭化カリウムを含む硫酸酸性溶液にオルト-フェナントロリン鉄(Ⅱ)錯体を触媒として加えたものである。これらをうまく混ぜた溶液をスターラーで攪拌すると、赤→青→赤→青のように繰り返し色が変化する。また、スターラーを用いずに溶液を静置すると、同心円状の縞模様が現れる。
振動反応は複数の化学種が関与するプロセスであり、その解析は容易ではないが、単に化学種の振動を再現するモデルとしてBrusselator、時間に加えて空間的拡散を考慮に加えたOregonatorなどが考案されている。
以降は余談だが、溶液中に鉄イオンで呈色する化学種を加えておくと、色が振動変化してとてもきれいである。この手の工夫は数多く、自分が今まで見た中では十色B-Z反応が最も複雑な呈色を示していた。